情報提供のお願い

2012年に和傘の原材料であるエゴノキを山から切り出す人が絶え、現在まで材料の調達はエゴノキプロジェクトによる収穫で成り立ってきました。森林文化アカデミーの教授や学生の皆さん・地元の林業を支える杣の森学舎の皆さん・普段の環境整備をされている山の駅ふくべの皆さん、和傘を未来に残すために賛同してくださった全国の和傘関係者・愛好家とも協力し、ただ材料を切るだけでなく植生調査や保護活動も行って、持続可能な収穫を目指してきました。

しかし、シカの食害により持続可能な収穫の計画は途中から大きく狂ってしまいました。

本来なら約10年サイクルで収穫できるはずだったエゴノキの株は新芽を食べられてしまい、11年目の2022年の収穫は例年の半分以下になってしまいました。シカからエゴノキを守るため、2021年から森の一部を保護柵で囲い「和傘の森」と名付け、その中では切り株から萌芽したエゴノキが育ち始めました。しかし、適寸に育つまでの今後約10年間、材料確保が課題となっています。

2023年から10年、少なくとも和傘の森のエゴノキが育つまでの間は、他の場所でエゴノキが収穫できないと和傘が作れなくなってしまいます。岐阜県、あるいは東海圏で和傘轆轤の材料になるエゴノキの情報がありましたら教えていただけると助かります。

≪和傘轆轤の材料になるエゴノキの条件≫

①胸高で4~6cmの直径 (直径が6㎝を超えるエゴノキでも大傘ろくろに使えることがある)

②節が少なく、まっすぐ伸びている

③年輪が8~15年程度あり、密な木質である

条件②の「節が少なく、まっすぐ伸びている」のは左のエゴノキで、材料として適しています。
右のエゴノキは枝が多く出ていたため節が多くあり、材料としては不適。 
①「直径4~6cm」③「年輪が8~15年程度あり、密な木質」の条件に当てはまる材料の年輪。

※標高の低い平地では、エゴノキの枝が多くなります。また、木の成長も良いため年輪が密になる前に直径が大きくなりすぎてしまうことも多いです。①~③の条件を一つでも損なうと和傘轆轤の材料としては不適となります。ただし、今は材料として不適のエゴノキでも根本から伐採してその後萌芽したわき芽を育てることで10~15年後には原材料として使える未来もあります。

理想的なエゴノキの株
適寸は胸の高さで直径が4~6㎝。2mの玉切りで1本としてカウントします。
このように大きく成長しすぎているエゴノキでも伐採して新たな芽を育てることで将来的には和傘の材料になるかもしれません。
持続可能な収穫目指して、エゴノキプロジェクトではエゴノキの植樹も行っています。

≪問い合わせ先≫

エゴノキプロジェクト実行委員会

代表 長屋一男 【(有)長屋木工所】

TEL/FAX・・・ 058-247-2848

メール・・・  rokuroya2518@gmail.com