シカ柵を設置しました R3/11/4

林業者や和傘職人が一緒に和傘部品の材料・エゴノキを収穫するイベント、エゴノキプロジェクトは今年が10回目。11/20(土)の本番を前に準備作業を行いました。この作業は毎年、エンジニア科の学生たちが「里山資源の様々な利用」の授業の一環で取り組んでいます。

準備作業では、11/20の本番に全国から集まる参加者がスムーズにエゴノキを収穫できるよう、適寸の幹にテープを巻いていきます。傘ロクロに適した直径は4〜6cm。樹齢8〜12年ほどです。後で集計したところ、適寸のエゴノキが400本以上あることが分かりました。今年も全国の和傘の需要をまかなえそうです。

今年はもう一つ、新しい作業がありました。シカ柵の設置です。

実行委員会が岐阜県の森林環境税を得て資材を購入。杣の杜学舎澤田さん、藤吉があらかじめエゴノキを残して伐採しておいた20メートル四方の区画を柵で囲います。実はこれまで、エゴノキの切り株から出た芽をほぼすべてシカに食べつくされてしまい、森の更新が妨げられてきたのです。シカ柵は、これからも持続的に収穫を可能にするための切り札です。

エゴノキだけになった森は明るく、気持ちの良い空間でした。澤田さんと藤吉さんの2人で計5日間かかったそうです。

シカ柵設置エリア

シカ柵は、まずFRP製のポールを立て、ステンレスワイヤを編み込んだ黒い網を張ります。さらにその外側にプラスチック製の緑色の網を張ります。二重の網で動物の侵入を防ぎます。

設置したシカ柵

ここで伸び伸びとエゴノキを育てられると思うと、夢が膨らみます。母樹を残して種から実生更新させたり、種を取って関係者で苗を育てて現地へ戻したり、切り株から萌芽更新させたりと、いろいろな育て方を試すことができます。すでに和傘の産地である岐阜市加納地区の小学校では、子どもたちに試験的にエゴノキの苗を育ててもらう取り組みも始めています。

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11月とは思えない暖かい日差しのもと、快適に作業ができました。さあ、本番も晴れますように!

久津輪 雅(木工・教授)

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